アプリ開発日誌
2023.01.31
リモートワークで働くということ
コロナ禍での変化
日本でコロナ禍と呼ばれる時代に突入してから丸2年が経過しました。
この期間に日本全体でも労働環境が大きく変わり、弊社も以下のように変わりました。
- 原則リモートワーク
- オフィスの縮小・移転
- 社員の地方への移住
- 電子申請、電子印鑑への移行
原則リモートワークであるフルリモートワークの導入したことで、オフィスを移転し、社員の中には地方に移住する人がいたり、元々地方に住んでいる人を採用するなど、インターネットが繋がりさえすれば働ける状況になっています。
私自身もフルリモートワークの環境で働き始めて1年と4ヶ月が経ちました。
実際に働く中で、リモートワークで自分では常識と思っていたことが常識ではないことなどもあり、一体何がリモートワークの標準なのかずっとわからずにいました。
そんな折、「個と組織を生かすリモートマネジメントの教科書」という書籍を読む機会がありました。
本書はマネジメント中心の本ですが、この中の「リモートワークの環境で働くというのはこういうこと」というのがとても参考になったので、今回はこちらを中心に紹介します。
リモートワークの自由と責任
書籍ではリモートワークの環境では自由が増し、と同時に責任も増すとあります。
つまり、大前提として「リモートワークの方が働く難易度が高い」ということです。
この前提を念頭に置かないとリモートワークで働くことにギャップ(困難や苦痛)を感じることでしょう。
その上で、書籍では3つの「自由」が手に入るのと同時に3つの「責任」を負うことになると紹介されています。
まずは「自由」についてです。
リモートワークの自由
- 自律的に仕事がしやすくなる
- 生活を大事にできる
- 安心の場を確保して挑戦できる
それぞれ詳しく見ていきます。
自律的に仕事がしやすくなる
これは「セルフブランドを作ることで仕事がしやすくなる」ということを指しています。
リモートワーク下では業務遂行プロセスが見えづらいことから「何ができるかが明確で成果を確実に上げてくれそうな人」に仕事が集まるとされています。
そのため、以下のようなサイクルを作ることができれば、自分で自分の仕事を管理できているという実感を得ることができます。
- 社内での評判が上がる
- 新たな仕事を担当できる
- その仕事を期待通りに(期待を超えて)完遂する
- また評判が上がる
確かに私の過去の経験上でも、仕事が集中する人はいろいろな部署から指名され、引っ張りだこになる状況を目にしてきています。
生活を大事にできる
リモートワークのメリットと聞いて真っ先に思い浮かぶのがこの点だと思います。
リモートワークの特徴でもある「どこでも仕事ができる」という利点が、仕事以外の生活も大切にした人生設計を可能とします。
フルリモートのメリット(デメリット)については弊社の過去の記事でも触れていますので、ぜひご参照ください。
■ワーママが1年間フルリモートで働いてみて思ったこと
https://eda-inc.jp/post-5418/
■地方在住者が1ヶ月間フルリモートをしてみて思ったこと
https://eda-inc.jp/post-3951/
■フルリモート勤務のメリットデメリット 転職する前に確認しておきたいこと
https://eda-inc.jp/post-7395/
例えば、沖縄でワーケーションをしたり、山奥で静かに過ごしながら仕事をするのも良いでしょう。
時差にさえ配慮すれば海外でも仕事ができます。
このように仕事以外の生活も大切にした人生設計が可能になります。
自分がどういう生き方をしたいか、人生の選択肢が増えたように感じることでしょう。
安心の場を確保して挑戦できる
最後に企業に勤めるなど組織に属するという基盤を持った上で、新しいことにチャレンジできるという点です。
リモートワークで通勤時間がなくなることによって、その時間を別のことに充てるなど、挑戦する機会が増えています。
私も以前の職場で片道1時間かけて通勤していたことがあります。
必要に迫られ、終電後まで残業していたので、当時は家に帰って寝るだけの生活でした。
もし往復2時間を作業時間に充てられていたら、それほど残業は多くなかったかもしれませんし、その時間を使って資格取得やスキルアップのための勉強時間をもっと確保できたかもしれません。
以上のようにリモートワークがもたらす自由により「自分らしく生きることができる状況が作りやすくなった」と言えます。
その一方で、自由を享受するためにはそれ相応の責任が伴います。
リモートワークの責任
- 周囲を安心させる責任
- 仕事環境をデザインする責任
- 心身の穏やかさを維持する責任
周囲を安心させる責任
書籍では「逐一見守っていなくても、きちんと仕事を進め、成果を上げてくれるであろうと会社に安心感を抱かせること」とあります。
その内訳は「成果を上げること」と「適宜報告・連絡・相談すること」に大別されます。
リモートワークでなくても当たり前のことですが、労働時間の割に成果が上がっていなかったり、確認するまで報告や連絡、相談が一切ないなどが起こると会社が不安になりますよね。
稼働時間の割に成果が上がらなかったり、一向に報連相がなければ「サボっているのではないか?」と思われても仕方がありません。
そもそもそういう疑念を会社に抱かせないようにするのが責務として捉えられます。
仕事環境をデザインする責任
これは「仕事に集中できる環境を自分で整える責任」のことを指します。
インターネット環境やデスク、チェア、ヘッドセットなどの在宅勤務用のツール類、もし同居人がいる場合はオンラインミーティングを実施する時間を調整するなどの工夫がこれに当たります。
また、公共の場で仕事をする場合は情報が流出しないよう、セキュリティ面も十分に考慮しなければいけません。
仕事をする場所を選ばない分、仕事環境を自分でしっかり整える責任が出てきます。
心身の穏やかさを維持する責任
これは自分が一番力を発揮できる心身の状態を維持する責任を指します。
働きすぎな状況に陥ったり、人間関係のトラブルや悩ましい仕事を抱え込んでいたとしてもリモートワークで状況が見えない分、それに気付いて止めてくれる人は少なくなります。
自分で自分をコントロールして、ベストなパフォーマンスが発揮できる状況を自分で作り出すことが求められます。(アスリートみたいですね)
以上がリモートワークの3つの自由と3つの責任です。
多くの企業でリモートワークが導入されていますが、「リモートワークはそれに相応しい責任を果たすことが前提で成り立っている」ということを理解しなければ、企業側が求める基準は満たせないことになります。
この点を意識しながらリモートワークに励むことで、成果が上がり、評価・信頼され、いろいろな仕事を任されるようになると思います。
まとめ
最後に今回の話を簡単にまとめます。
リモートワークの前提
まず、大前提としてリモートワークは出社スタイルの仕事より働く難易度が高いということです。
そして、リモートワーク下では3つの責任を果たすことで、3つの自由を得ることができます。
3つの自由とは
1)自律的に仕事がしやすくなる
確実に成果を上げてくれる人になることで、自分で仕事を管理している実感を得られる。
2)生活を大事にできる
場所の制約がないため、仕事以外の生活を大切にした人生設計ができる。
3)安心の場を確保して挑戦できる
通勤時間を別の時間に充てることができるので、自分らしく生きる状況が作りやすい。
3つの責任とは
1)周囲を安心させる責任
報連相を怠らず、成果を上げることで、会社に「サボっているのではないか?」という疑念を与えないようにする。
2)仕事環境をデザインする責任
仕事しやすい労働環境を自分自身で作り出す。
3)心身の穏やかさを維持する責任
自分自身で体調やメンタルをケアし、ベストパフォーマンスを発揮できるようにコントロールする。
今回は書籍「個と組織を生かすリモートマネジメントの教科書」を読んで「リモートワークで働くということはこういうこと」という点について、腹落ちしたので、リモートワークについてフォーカスしてまとめ記事を書きました。
■参考書籍
・個と組織を生かすリモートマネジメントの教科書
タイトルの通り、リモートワーク環境下でのマネジメントについて書かれた書籍ですので、今回触れたのはほんの一部に過ぎません。
リモートワークマネジメントのお手本のような内容が書かれていますので、もしこちらの書籍が気になった方がいましたら、ぜひ手にとってみてください。
この記事がリモートワークを導入している企業で悩まれている方の参考になれば幸いです。