アプリ開発日誌
2025.05.28
ChatGPTは要件定義をどこまで助けてくれるのか試してみた

イーディーエーでディレクターを担当しているKです。
今回はシステム開発で重要な「要件定義」にフォーカスします。
「要件定義」はプロジェクトの成否を分ける重要なフェーズです。
しかし、初期のヒアリングから構成を整理して言語化するまで、意外と時間も手間もかかります。
そこで今回は、話題のChatGPTに要件定義の初期作業をどこまで任せられるのか?を検証してみました。
実際にクライアントから来そうな要望をベースに、たたき台を作ってもらい、どこまで業務負荷を軽減することができるか試してみます。
今回は、以下のような簡単な要望を想定しました。
飲食店向けのアプリを作りたい。
ユーザーがアプリから予約できる機能がほしい。
管理画面からは予約の確認と店舗情報の変更もしたい。」
この要望をChatGPTに「この内容をもとに、アプリ開発の要件定義のたたき台を作ってください」と依頼してみました。




とはいえ、実際にこのまま実装に進めるかというと、抜け漏れや考えが甘い点も見えてきます。
抜けていた観点
- 「予約のリマインド」はどうする?メール?通知?
- 「予約の重複」はどう防ぐ?テーブル数に応じた制限は?
- 店舗によっては「定休日」や「臨時休業」もあるけど対応は?
設計に必要な情報の粒度が甘い
- 「予約の編集」ってユーザー側?管理側?
- 「複数店舗管理」は対象?将来的に拡張できる構成?
- 表示順、ソート条件、混雑状況の判断基準
など、実装観点で詰めるべき部分は多数あることがわかります。
今回試して分かったのは、ChatGPTは「要件定義の叩き台生成」には非常に優秀です。
しかし、現場での運用を見据えた落とし込みや、クライアントの業務理解を踏まえた仕様設計は、まだまだ粒度が荒い状態です。
我々ディレクターはクライアントの実現したいことや、奥底に眠っている潜在的な要望を吸い上げることが重要です。
AIはそのサポート役として使いながら、最終的な設計はプロとして責任を持つ。そんな分担が、これからのスタンダードかもしれません。
イーディーエーでは、こうした生成AIの活用も取り入れながら、効率と品質の両立を目指した高水準なシステム開発を実現しています。