アプリ開発日誌
2025.05.07
【開発現場の資料作成革命】システムエンジニアの命綱「スライド作成」をAIが救う!Genspark AIで実現する提案資料の品質向上と工数削減

はじめに:あなたにも覚えがありませんか?
「来週の提案、スライド50枚必要です。」
その一言で、週末返上になってしまった経験はありませんか?
システム開発の現場では、コードを書くことだけが仕事ではありません。クライアントへの提案資料、進捗報告書、技術説明資料、社内勉強会の資料作成など、様々な「スライド作成」に多くの時間を費やしているのが実情です。特に納期前や重要な提案前になると、本来の開発業務と平行して資料作成に追われる日々。「もっと開発に集中したいのに…」というフラストレーションを感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身、システムエンジニアとして働く中で、スライド作成にかける時間の多さに頭を悩ませてきました。特に社外向けに公開するスライドを作成する際は、「何をどう伝えればいいのか」という内容面から、「見栄えのいいスライドの作り方」というデザイン面まで、すべてを一人で抱え込み、徹夜して資料作成したこともあります。
そんなシステム開発現場の「隠れた業務負荷」であるスライド作成作業。この課題に対して、AIの力を借りることで劇的に効率化できる可能性があります。今回は、特にスライド生成に特化したAIツール「Genspark AI」に注目し、システム開発業界で働く皆さんの業務効率化につながる活用法をご紹介します。
この記事を読むことで、以下のことが分かります
- スライド作成を効率化するAIツール「Genspark AI」の基本機能と使い方
- システム開発現場における具体的な活用シーン
- 実際に使ってみて感じたメリットと注意点
- これからのAI時代に対応するためのヒント
なぜ今、AIツールが注目されているのか?
AIツールという言葉を聞くと、最先端のテクノロジーを思い浮かべるかもしれませんが、実は私たちの日常業務を支援するための「便利な道具」と考えるのが適切です。特にここ1-2年で急速に進化した生成系AIの登場により、これまで人間にしかできないと思われていた創造的な作業の多くを、AIがサポートできるようになってきています。
システム開発の現場では、以下のような課題が常に存在しています
- 人的リソースの不足: 慢性的なエンジニア不足により、一人あたりの業務負荷が増加
- スキルギャップ: 技術力とビジネス力、コミュニケーション力など、多様なスキルが求められる
- 短納期化: 競争激化によるプロジェクトの短納期化・低コスト化の圧力
- ドキュメント作成の負担: 本来の開発業務以外の作業に時間を取られる
AIツールは、これらの課題に対して以下のような価値を提供します
- 単純作業の自動化: 繰り返し行われる定型的な作業をAIに任せることで、人間はより創造的で付加価値の高い業務に集中できる
- 知識・スキルの補完: 専門知識が十分でない領域でもAIのサポートにより質の高い成果物を作れる
- 作業時間の短縮: これまで何時間もかかっていた作業が、AIの支援により大幅に短縮できる
- 新たな発想の提供: 人間では思いつかなかった視点やアイデアをAIが提示してくれる可能性
特にドキュメント作成、その中でもスライド制作は、多くのエンジニアにとって「得意ではないけれど避けられない業務」となっています。ここにAIツールの力を活用することで、大きな効率化と品質向上を実現できるのです。
スライド作成を劇的に効率化するGenspark AIとは
Genspark AIは、スライド生成に特化したAIツールです。シンプルなテキスト入力から、見栄えの良いプレゼンテーション資料を自動で作成してくれます。テキストベースの説明から、適切な構成、デザイン、視覚要素までを含めたスライドセットを短時間で生成できる点が大きな特徴です。
基本的な使い方は非常にシンプルで、「何についてのプレゼンが必要か」をAIに伝えるだけ。詳細な指示を加えることで、より精度の高い、自分の意図に合ったスライドを作ることも可能です。
主な機能と基本的な使い方
1. スライド自動生成の基本手順
- Genspark AIのウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成・ログイン
- 「AIスライド」ボタンをクリック
- プレゼンテーションのタイトルと概要を入力
- 例:「クラウドマイグレーションプロジェクト提案書」「オンプレミスからAWSへの移行計画と効果」
- より詳細な指示を追加(オプション)
- 対象となる聴衆(技術者向け/経営者向けなど)
- 必要なスライド枚数
- 含めるべき内容の詳細
- デザインテーマやカラースキーム
- 「Enter」をクリックして生成開始
- 生成されたスライドをレビューし、必要に応じて編集や再生成
実際に上記の手順でGenspark AI自身にGenspark AIについての説明スライドを作成してもらいました。Genspark AIを使用すると、以下のようなスライドがたった2分程度で完成します。
2. 高度な機能
プロンプトエンジニアリング活用: より具体的な指示を与えることで、生成結果を大幅に向上させることができます。例えば以下のようなプロンプトが例に挙げられます。対象者や作成の目的など細かく指定することによって、より読者に合わせたスライドが完成します。
タイトル:「レガシーシステム刷新プロジェクト提案書」
対象:クライアント企業のIT部門責任者と経営層
目的:既存の社内システムをマイクロサービスアーキテクチャへ刷新する提案
含めるべき要素:
- 現状の課題分析(レガシーシステムの問題点)
- 技術的解決策(マイクロサービス化のメリット)
- 移行計画と工程表
- コスト試算と投資対効果
- リスク分析と対策
スタイル:プロフェッショナルで説得力のあるデザイン、グラフや図表を多用
カラースキーム:ブルーを基調とした信頼感のあるデザイン
テンプレート活用: 定期的に作成する同種のプレゼンテーションには、成功したプロンプトをテンプレート化しておくと効率的です。
画像生成と統合: 最新バージョンでは、説明文から関連する画像やアイコンも自動生成し、スライドに組み込む機能も追加されています。
システム開発現場での活用
私は最新AIツールの説明資料作成にGenspark AIを活用してきました。最初は半信半疑でしたが、使ってみると予想以上の効果があり、今では必須ツールとなっています。
特に印象的だったのは、技術的な内容を非技術者向けに説明するスライド作成での効果です。エンジニアにとって、自分が理解している技術を経営層などに分かりやすく説明することは意外と難しいものです。Genspark AIは、同じ内容を対象者に合わせて表現を変えることが得意で、「経営層向け」と指定するだけで、技術的詳細を省略し、ビジネス価値やROIを強調したスライドに仕上げてくれます。
ただし、すべてをAIに任せきりにすることはできません。生成されたスライドは「たたき台」と考え、必ず人間の目でチェックし、加筆修正する必要があります。特に数値データや固有名詞などは誤りが含まれることがあるため、注意が必要です。
システム開発現場における具体的な活用シーン
Genspark AIは、システム開発のさまざまなフェーズやシーンで活用できます。
職種別の具体的な活用方法をご紹介します。
1. プロジェクトマネージャー/リーダー向け
活用シーン:クライアントへの提案資料、進捗報告会資料、プロジェクト計画発表
PMやリーダーは常に資料作成に追われています。特に提案フェーズでは、限られた時間で説得力のある資料を作成する必要があります。
具体的な活用例:
プロンプト例:
タイトル: Webアプリケーション開発プロジェクト計画書
スコープ:
- ユーザー認証
- データ管理
- レポート機能
期間:6ヶ月
予算:2000万円
含めるべき要素:
- プロジェクト概要 (AIツールの導入管理アプリ)
- 開発アプローチ(アジャイル)
- 工程表
- チーム構成 (SM:1人、PM:1人、Dev:3人)
- リスク管理計画
※ 弊社の見解ではなくGensparkが出力した結果を添付しています
効果:
- 基本構成が自動で作成されるため、ゼロからの資料作成時間を約60%程度削減
- 論理的な構成とプロの見栄えにより、プレゼンの説得力アップ
- 複数の提案バージョンを短時間で作成可能になり、選択肢の比較検討がしやすくなる
2. アーキテクト/シニアエンジニア向け
活用シーン:システム設計説明資料、技術選定資料、アーキテクチャ概要資料
複雑な技術情報を分かりやすく伝えることが求められるシーンです。
具体的な活用例:
プロンプト例:
タイトル: マイクロサービスアーキテクチャ採用の技術資料
対象:開発チームと経営層
含めるべき要素:
- 現在のモノリシックアーキテクチャの課題
- マイクロサービスの利点
- 移行アプローチ
- 使用技術(Docker、Kubernetes、API Gateway)
- 想定されるチャレンジと対策
※ 弊社の見解ではなくGensparkが出力した結果を添付しています
効果:
- 複雑な技術概念の視覚化と構造化をサポート
- 技術的詳細と経営視点のバランスが取れた資料作成
- 複数の対象者(技術者と非技術者)向けの資料バリエーションを効率的に作成
3. 若手エンジニア/未経験者向け
活用シーン:社内勉強会資料、技術調査報告書、コードレビュー説明資料
プレゼン経験が少ない若手エンジニアにとって、どうスライドを構成すべきかは大きな課題です。
具体的な活用例:
プロンプト例:
タイトル: ReactとNext.jsの比較に関する勉強会資料
対象:チーム内の他のエンジニア
目的:次期プロジェクトでの技術選定の参考にする
含めるべき要素:
- 両フレームワークの特徴
- ユースケース
- パフォーマンス比較
- 学習曲線
- 実際のプロジェクトでの活用例
※ 弊社の見解ではなくGensparkが出力した結果を添付しています
効果:
- プレゼンの基本構成が自動で提供されるため、内容に集中できる
- プロフェッショナルな見栄えの資料により、新人でも自信を持ってプレゼン可能
- 足りない知識をAIが補完してくれるため、勉強会準備と同時に自己学習にもなる
4. テスター/QA担当者向け
活用シーン:テスト計画発表、バグレポート概要、品質メトリクス報告
テスト結果を効果的に伝えるためのビジュアル資料作成に活用できます。
具体的な活用例:
プロンプト例:
タイトル: Webアプリケーションの品質保証レポート
対象:開発チームと顧客
含めるべき要素:
- テストの範囲と方法
- 見つかった主要な問題のカテゴリと重大度
- 解決済み/未解決の問題数
- 品質メトリクス(カバレッジ、パフォーマンス)
- 次期リリースに向けた推奨事項
※ 弊社の見解ではなくGensparkが出力した結果を添付しています
効果:
- データの視覚化提案により、テスト結果が分かりやすく伝わる
- 定型報告のテンプレート化による時間削減
- 技術的な問題を非技術者にも理解しやすく説明するサポート
5. 営業/提案担当者向け
活用シーン:ソリューション提案資料、事例紹介、カスタマイズデモ準備
技術的内容を含むが、顧客価値にフォーカスした資料作成が必要なシーンです。
具体的な活用例:
プロンプト例:
タイトル: 製造業向けIoTソリューション提案資料
顧客の課題:生産ラインの効率化と予防保全
含めるべき要素:
- ソリューション概要
- 導入メリット(数値化)
- 実装アプローチ
- 導入事例
- コストと期待ROI
- サポート体制
※ 弊社の見解ではなくGensparkが出力した結果を添付しています
効果:
- 技術と事業価値のバランスのとれた提案資料の迅速な作成
- 顧客業界に合わせた用語や例示の適用
- 営業担当者自身が技術的な内容を理解しやすくなる補助教材としても機能
Genspark AIを活用することで得られるメリット
実際にシステム開発現場でGenspark AIを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?私が実際にGenspark AIを使用した経験をもとに整理すると以下のようなメリットがありました。
1. 時間的効率の劇的な向上
- 資料作成時間の削減: 従来比で約50~70%の時間削減効果
- 例:30枚の提案スライド作成が8時間→2.5時間に短縮
- 反復作業の自動化: 定期的な報告資料などの定型作業が10分程度で完了
- 修正・バージョン作成の迅速化: 一度作成した資料のバリエーション作成が数分で可能
2. 資料の質と一貫性の向上
- 論理構成の改善: AIが提案する構成は論理的で説得力がある
- 見た目のプロフェッショナル化: 素人が作成しても見栄えの良い資料に
- 表現力の向上: 適切な比喩や例示により、複雑な概念を分かりやすく説明
- 一貫性の維持: 複数人で作成しても、スタイルや品質のばらつきが少ない
3. 心理的効果とスキル向上
- プレゼン不安の軽減: 質の高い資料があることで自信を持ってプレゼン可能に
- メンタル負荷の低減: 「資料作成が終わらない」というストレスから解放
- 本来業務への集中: 資料作成にかける時間を削減し、コア業務に集中できる
- プレゼン力の向上: AIが提案する構成や表現から学ぶことでスキルアップ
4. ビジネス面での効果
- 機会損失の防止: 短納期の提案依頼にも対応可能となり、案件獲得機会増加
- コスト削減: 資料作成工数の削減による人件費削減
- クライアント満足度向上: 質の高い資料による信頼性・理解度の向上
- 多様な提案の検討: 複数バージョンを短時間で作成し比較検討できることによる提案品質向上
導入・活用における注意点と考慮事項
AIツールの導入にはメリットが多いものの、いくつかの注意点や考慮すべき事項もあります。実際の活用経験から得た学びを共有します。
1. 情報の正確性・信頼性の検証
AIが生成する内容は常に検証が必要です。特に以下の点に注意しましょう:
- 数値データの確認: AIが挿入する数値は実在しないものが含まれることがあるため、必ず実際のデータに置き換える
- 技術情報の最新性: 生成AIの知識は訓練データの時点で止まっているため、最新の技術動向については人間が補完する必要がある
- 企業固有情報の正確性: 自社の製品情報や実績などは、必ず正確な情報に更新する
対策:
- 生成されたスライドを「下書き」と位置づけ、必ず人間による精査を行う
- 特に重要な数値や固有名詞はハイライトしておき、チェックしやすくする
2. 機密情報・個人情報の取り扱い
Genspark AIを含む多くのAIツールはクラウドベースで動作するため、入力情報の取り扱いには注意が必要です。
- 社外秘情報の入力回避: 顧客名や機密性の高いプロジェクト詳細は入力しない
- 個人情報の匿名化: 人物を特定できる情報は必ず匿名化してから入力する
- 利用規約の確認: ツールの利用規約で、入力データの取り扱いポリシーを確認する
対策:
- プロンプトには一般化した情報のみを入力し、具体的な情報は後から手動で追加
- 社内専用のセキュアなAIツールの導入も検討
3. 著作権・ライセンスの問題
AIが生成する内容には、著作権やライセンスに関わる問題が生じる可能性があります。
- 生成画像の権利: AIが生成した画像やイラストの商用利用可否を確認
- 引用・参照の適切性: AIが挿入する引用や参照が適切かチェック
対策:
- 商用利用可能な素材のみを使用するよう設定
- 重要な資料では、生成画像は自社所有の画像や商用利用可能な素材に置き換える
4. AIへの過度な依存リスク
AIツールに頼りすぎると、プレゼンスキルや資料作成能力の低下を招く恐れがあります。
- スキル低下の懸念: 常にAIに任せることで、自分で考える力が衰える可能性
- 画一的な表現: 多くの人がAIを使うことによる表現の類似化
対策:
- AIを「アシスタント」と位置づけ、最終的な判断や創造性は人間が発揮する
- AIの提案をそのまま使うのではなく、自分なりの視点や経験を加える
5. 組織への導入における考慮点
- コスト面: 無料プランと有料プランの機能差や、チームでの利用に必要なライセンス数
- 教育・トレーニング: 効果的な活用のためのプロンプト作成スキルの習得支援
- 活用ガイドライン: 社内での適切な利用範囲や注意点の明確化
対策:
- 段階的な導入(試験的に一部チームから導入し、効果検証)
- 社内勉強会や事例共有会の実施
まとめ:AIとの協働で、より創造的な開発現場へ
システム開発の現場では、コーディングやシステム設計といった「本来業務」に加え、資料作成やコミュニケーションにも多くの時間が割かれています。特にスライド作成は、多くのエンジニアにとって「必要だが得意ではない」業務となっていることが多いのではないでしょうか。
Genspark AIをはじめとするAIツールは、こうした「必要だが本来業務ではない」タスクを効率化することで、エンジニアが本来の強みを発揮できる環境づくりをサポートします。AIは人間の仕事を奪うものではなく、より創造的で付加価値の高い業務に集中するための「パートナー」なのです。
私自身、AIツールを活用することで、以前は資料作成に費やしていた時間を、実装や技術検証といった、より本質的な業務に充てられるようになりました。結果として、提案の質も向上し、全体の生産性も高まっています。
AIツール活用の第一歩としては、まずは小さな非公式資料から試してみることをお勧めします。社内勉強会の資料や、チーム内の報告資料など、リスクの低いものから始めて、操作感や効果を体感してみましょう。そして、使い方に慣れてきたら、徐々に活用範囲を広げていくのが良いでしょう。
最後に
AIツールは急速に進化しています。Genspark AIも定期的に新機能がリリースされており、例えばスライド1枚ごとのファクトチェックや、部分的なフォントの修正やスタイルの編集機能なども追加されています。常に最新の機能をチェックし、自分の業務スタイルに合った活用法を探求し続けることで、さらなる効率化と品質向上を実現できるでしょう。
AIとの上手な協働により、システム開発の現場がより創造的で、人間らしい価値を発揮できる場になることを願っています。まずは一歩、AIツールを試してみませんか?
【補足情報】Genspark AIの基本情報
- 料金プラン: (2025年4月時点 月額プランの場合)
- Free: 200クレジット/日
- Plus ($24.99/月): 10,000クレジット/月、すべてのAIエージェントへの優先アクセス
- Pro ($244.99/月〜): 125,000 クレジット/月、すべてのAIエージェントへの優先アクセス
- 対応言語:
- 英語(ネイティブ対応)
- 日本語(品質は英語より劣る場合あり)
- その他多言語対応(翻訳品質は言語により異なる)
- 出力形式:
- PowerPoint (.pptx)
- 主な競合ツール:
- Tome AI
- Beautiful.ai
- Slidebean AI
- Microsoft PowerPoint (Designer機能)
AIがあらゆる業務をサポートできる時代とはいえ、AIも判断を間違ったり、不適切な提案をする可能性があります。AIが進化している今だからこそ、専門家による適切な判断が必要です。
アプリ開発、システム開発、AI導入にお悩みの方は、経験豊富な弊社までお気軽にお問い合わせください。