アプリ開発日誌
2022.12.21
ノーコードとは? いま注目されている開発ツールのこれから
いま、注目度がアップしているノーコード。 専門的な知識がなくてもアプリケーションやWebサイトが作れる、とても便利なツールですが、まだ触ったことがない……という方も多いのでは? この記事では、ノーコードツールやその可能性について説明していきます。
- ノーコードに興味がある
- アプリケーションや自分のサイトを作ってみたい
- 業務改善に関わりたい
などの思いをお持ちでしたら、ぜひ読んでみてください。
ノーコードとは? 何ができるのか?
ノーコード(NoCode)とは、ソースコードの記述不要で開発がおこなえるプラットフォームのことです。 これまでの常識では、アプリケーションや自動化ツール、Webサイト、ECサイトなどを作成するとなれば、多少のプログラミング知識が必要でした。 そのため、会社の業務でちょっとしたツールがほしい! と思っても、知識がなければ諦めざるを得ないのが当たり前でしたよね。 チームの中にプログラミングのできる人がいなければ、IT部門に依頼したり、外注したりしなければならず、ツールの開発までには手間と時間がかかるものです。 ノーコードツールは、プログラミングの知識がなくても、直感的なドラッグ&ドロップなどの基本操作のみでサービス開発ができる、便利なツール。 ITに弱くても、「どんなツールが欲しいか」「どんなサイトを作りたいか」さえはっきりとしていれば、誰でも簡単な操作で実現させることができるのは、ノーコードだからこその利点ですね。 コーディングが不要なことから、スピーディな開発が可能なのもノーコードの特徴です。 ネット上で参考になるソースコードを拾ってきて、自分で使いやすいようにアレンジして書き直していた時間を全部、見た目や使いやすさの工夫に使えるということ。 また、開発環境がクラウド上にある場合が多く、ネット環境があればどこからでもアクセスして作業を行えるのも、優れたポイントです。
ローコードとノーコード
ノーコードと似たものに、ローコードツールも存在します。 名前の通り、本来のサービス開発よりも少ないコーディングでサービス開発ができるツールのことです。 プログラミングの知識が多少必要にはなりますが、一からプログラムを組むよりもスピーディに開発ができると、注目を集めています。 ノーコードとの違いは、コーディングが必要な分、汎用性の高いサービスリリースが可能なところです。 コーディングが一切不要なノーコードツールでの開発は、ツール自体に組み込まれている範囲の限られたものの中でアプリケーションなどを作り上げる必要があります。 便利な分、できることも限られてしまうのがノーコードツールの弱点とも言えるでしょう。 その弱点をカバーするために、ローコードツールを使う人もいます。 ノーコードで土台を作った上で、細かい機能を拡充させたり、デザインをこだわったりするためにプログラムを書いて、仕上げをするイメージでしょうか。
ノーコードツールの紹介
サービス開発をスピーディで簡単なものにしてくれる、ノーコードツール。 現在数多くのノーコードツールが世に出ていますが、その一部を目的別にご紹介します。
Webサイト作成
- webflow
CMS(Contents Management System)も構築可能で、複雑なWebサイト作成にも便利なシステムです。 テンプレが豊富で、デザイン性が高いのが特徴。
- STUDIO
完全ノーコードで自由度の高いWebサイト作成ができると、人気急上昇中のノーコードツール。 レスポンシブデザイン化が簡単にできるのが、オススメポイントの一つ。
アプリケーション作成
- Bubble
幅広い人気を誇るノーコードツールです。ドラッグ&ドロップを駆使した、直感的な操作でアプリ開発ができるのが、人気を集めるポイント。
- Glide
Googleスプレッドシートをデータベースとして活用しているので、初めてデータベースを扱う人でもわかりやすいでしょう。
ECサイト作成
- Shopify
SNSと連携可能で、拡張性の高さが売りです。HTMLやCSSを使えれば、ローコードツールとしてかなり高い自由度で開発可能。
業務効率化
- kintone
幅広い企業で導入事例があり、いろんな機能を実現できるスグレモノ。ローコードとノーコードを切り替えて使いやすいのが特徴です。
なぜ令和のこの時代に注目されているのか
Nocode Japan Newsの「ノーコード・ローコード市場を把握するための統計・市場予測データまとめ(https://nocodejapan.org/media/nocode-lowcode-statistics/)」によると、ノーコードの将来性について以下のように述べられています。 『ローコード開発の市場規模は年間平均成長率22.7%で成長し、2027年までには860億ドルになると予想されている。(Grand View Research )』 なぜ、ここまで高い期待が寄せられているのでしょうか?
開発にかかる時間を削減
ノーコードの最大の利点は、システム開発にかかる時間と費用が削減できるところです。 どんなに簡単なものでも、プログラムを一つひとつ書いていると、どうしても時間がかかりますし、かかる工数の分だけ費用もかさみます。 バグがあれば、すみずみまでソースコードを見直して、たった1文字の打ち間違いを見つける必要もあります。 短期間で専用サイトを立ち上げなければならないときなど、一からプログラムを組んでいては間に合いませんよね。 やっとソースコードを書き上げることはできたとしても、動作のテストが間に合わず、リリースの判断ができないままとなってしまう可能性もあります。 ノーコードで開発をするなら、短期間でもあわてることなく作りたいものを作れます。
開発にかかる費用の削減
アプリケーションの開発費用を抑えたい場合はどうでしょう。 内部にプログラミングができる人がいなければ、当然のように外注するしかありませんでした。 しかし、ノーコードをもちいることで、もしかしたら自分で思い通りのものが自分の手で作れてしまうかもしれません。 外注費だけでなく、IT部門の人件費の削減にもつながる可能性がありますね。 これは大きなメリットです。 費用などの面から、これまでは開発自体諦めざるを得なかったような場面でも、ノーコードツールを利用することで実現できる! となれば、商売のチャンスも増えそうです。 めまぐるしく状況が変わっていく今の時代、コストを抑えた開発ができるツールは、重宝されるのも当然の流れなんです。
ノーコードのこれからとプログラマーの仕事
ノーコードツールを用いて作成されたWebサイトやアプリケーションは、日々増えています。 これはつまり、ちょっとしたシステム開発やWebサイト作成なら、誰にでもできてしまう時代がきたということ。 エンジニアやプログラマーといった職種の人が不要な時代に突入したとも言い換えられるでしょう。 もちろん、ノーコードツールで実現できるような範囲の開発の話です。 複雑なサービス開発においては、これまで通り専門のエンジニアやプログラマーが求められ、活躍するはず。 あるいは、ノーコードではあと一歩実現できないような、高いデザイン性をもったWebサイトや、高機能のアプリケーションを作りたい場合、ローコードでの開発がプログラマーやエンジニアに流れてくることもあるでしょう。 一からプログラムを組むよりスピーディに開発できる、ローコードでの開発案件は、依頼する側にとっても、制作する側にとっても、メリットが多いことから今後増えてくることが予想されます。 こうして、ますますノーコードの市場は広がっていくだろうと、多くの期待がかかっています。
ノーコードの需要拡大に期待!
プログラミングの知識がなくても、Webサイトやアプリケーションの開発ができるノーコードは、ITに弱い人でも開発を可能にしてくれる便利なツールです。 ローコードツールを使った開発でも、コーディングにかかる時間が、一から開発する場合と比べて大幅に削減できるため、コストや制作期間を最小限に抑えることが可能。 あるいは、プログラミング初心者の方にとっては、開発の基本となる考え方を身につける練習にも活用できそうです。 いろんな人にとってメリットの多いノーコードのこれからに、ぜひ注目したいですね!