アプリ開発日誌
2025.05.27
G検定合格レポート — 超有名企業も注目する今話題の資格を受験してみた

株式会社イーディーエーでディレクター・エンジニアを担当している杉本崇徳です。
2025年春、筆者は 一般社団法人 日本ディープラーニング協会主催の G検定(ジェネラリスト検定 JDLA Deep Learning for GENERAL 2025 #3) に合格しました。受験を通じて得た知見と、システム・スマホアプリ開発会社という立場から見た価値を共有します。
三菱商事もG検定取得を管理職の条件に!
2025年4月28日付の日本経済新聞報道によれば、三菱商事は2027年度から入社8〜10年目前後の課長級昇格時に、JDLA主催のAI資格「G検定」合格を必須条件とする、と報道されています。
その後、段階的に対象を広げ、最終的には全ての役職員にAI資格の取得を義務付ける方針。これにより、組織全体のAIリテラシーを高め、部署間の連携を強化し、データに基づいた意思決定を促進する考えであるとのこと。
今話題のG検定とは?
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するオンライン資格試験です。
- 目的:ディープラーニングを含むAI技術を「ビジネス課題の解決に活かせるか」を測る。
- 形式:多肢選択式 120 分、PC での CBT 方式。
- 開催:2025年は年 6 回(残りは7月、9月、11月)、日本全国どこからでも受験可能。
- 受験料:13,200 円(税込)/学生 5,500 円。
- シラバス:人工知能の基礎から、統計学、機械学習基礎、深層学習アルゴリズム、生成 AI、法律・倫理、プロジェクトマネジメントまで網羅。
試験名に「ジェネラリスト」とある通り、コーディングスキルより「正しい理解と活用の判断力」が問われます。弊社のように「システム・アプリを提案実装する会社」にとっては、開発だけでなく営業・企画・QA の全員が理解しておきたい共通教養といえます。
G検定の魅力・メリット
1. 社内外の共通言語化
AIを使ったプロジェクトやAIを導入する際には、企画が描く夢とエンジニアが見積もる現実のギャップが発生しがちです。G検定シラバスに沿った知識を共有すると、AIに関する共通言語ができるため認識齟齬がなくなり、夢と現実とのギャップを埋める手助けになります。
2. 生成AIに関する基礎知識があることを証明
名刺や提案書に JDLA 認定ロゴを掲出できます。また、生成AIに関する基礎的な知識があることを証明することができます。
3. コスパと学習負荷のバランス
国家資格のような長期通学は不要で、独学でも合格可能です。オンライン教材と過去問演習で素養がある人であれば20〜30 時間、素養がなくても50時間程度あれば合格圏に到達できると思います。試験が不合格でも次回が数ヶ月後に控えていますし、再受験は割引での申し込みが可能なため、リカバリーが容易です。
4. 生成AI時代への知識アップデート
2024年から GPT-4o、Stable Diffusion、マルチモーダル学習がシラバスに追加されるなど、試験内容もアップデートされていますので、最新の生成AIに関する知識を網羅して学習することができます。
効果的な勉強方法
私は独学派なので、まずG検定公式テキストを通読しました。
知識定着にはChatGPTが最適です。シラバスをChatGPTに入力し、「確認テストを10問出題して」と頼むと即座に予想問題と解説が返るため、疑問を潰しつつアウトプット学習が可能でした。通勤時間+週末学習でもモチベーションを切らさず合格水準に到達できました。ただし、ChatGPTの問題は本試験問題よりかなり優しいため、公式テキストも必ず必要になります。
付録:4週間で合格するスケジュール案(20時間の場合)
第1週(5H)
目標:全体像を把握
主なタスク:公式テキスト通読
第2週(5H)
目標:問題を解きながら知識まとめ1
主なタスク:過去問1回目、誤答まとめノート作成
第3週(5H)
目標:問題を解きながら知識まとめ2
主なタスク:過去問2回目、誤答まとめノート作成
第4週(5H)
目標:仕上げ
主なタスク:苦手分野の補強、試験環境準備
平日は通勤時間にテキスト等で1時間程度知識の定着、週末は2時間まとまって学習すると、4週間で無理なく20時間を確保できます。
AIの基礎知識、素養がない場合には50時間以上かかる可能性がありますので、ご自身の素養に合わせて学習時間・学習期間は調整してください。
まとめ — 小さな投資で大きなリターン
G検定は、「AI を活用できるかどうか」を測る最短距離のベンチマークです。
- 投資:受験料 13,200 円+学習 20~50 時間
- 回収:開発効率化、社内ガバナンス向上
資格はゴールではなくスタートライン。合格後は「学んだ概念をプロダクトに落とし込む」フェーズで初めて真価を発揮します。
読者のみなさんも、AI/DXの扉を開く第一歩として G検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
生成AI活用やDX化にお困りの企業様、教育団体様等いらっしゃいましたら、弊社までお気軽にお問合せください。